追悼 伊藤通明 先生

伊藤通明先生 ・ 自句自註
「 曼 珠 沙 華 ほ う ほ う と 野 の 煙 出 し 」

先月亡くなった伊藤通明先生の昭和34年の作品。
わたしは縁がなく、お目にかかることがないまま、亡くなった。
気になった「野の煙出し」とは、現在の国立福岡東病院。
そのむかし結核療養所 清光園の火葬場の煙突から煙が出ている様子を読んだものとか。
療養所に火葬場を併設するほど、患者が亡くなったのか、それとも結核という病が世間に疎まれてのことか。
長い時間が経ち、もはや確かめる術もない。
多くの著名人がこの病を得て亡くなった。
高杉晋作、正岡子規、堀辰雄、ヴィヴィアンリー、滝廉太郎、石川啄木、竹久夢二‥
空気感染し、感染力も強かったと聞く。
国民病または亡国病とよばれていたとか。
現在に至るも、患者がいなくなったわけではない。
ただ治る病にはなりつつあると言えるらしい。
罹患すれば、法律で隔離病棟に入ること義務付けられている。
わたしの祖父にあたる人も、この病で、30代半ばで死んでいる。
さぞや無念だったろう。
そして祖母は、子どもを育てるため、馬車馬のごとく働いたと、後になって弔辞で聞いた。
精いっぱい努力しただろうその人生は、傍目にも幸せとは言えないものだった。

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